どうも。よゐこパンダです。
学生の方は夏休みも近づいてきたということで、昆虫採集をしましょう!
昆虫採集は結構いい自由研究になると思います。
それに、キャンプ場の街灯下には町では見られないようなレアな昆虫がいるかも!
というわけで、本日は昆虫採集の道具と方法について紹介していくよ!!
ちなみに以前、『萌萌虫雑記帳』の萌萌虫さんと作ったレアな昆虫リストのリンクを貼っておきます!
※このリンクの昆虫は一部採集禁止の昆虫がいますので見つけたら写真のみにとどめるようにし、捕獲はご遠慮ください。
なお本日紹介する昆虫採集の方法はむやみやたらに虫を捕獲することを薦めるためのものではありません。あくまでも研究・観察のためですので必要最低限のマナーを守るようにお願いします。
採集中に出会う昆虫には捕獲禁止のもの・外来種・毒のあるもの様々います。もし採集される場合は昆虫について調べ自己責任のうえお願いします。
昆虫採集とは?
最初に昆虫採集の歴史についてここに掲載しておきたいと思います。
昆虫採集について
昆虫採集は、昆虫を捕獲し研究・観察することをいいます。捕獲した昆虫を飼育したり、標本にする場合が多く、古くから伝わる趣味となっています。
昆虫採集の起源としは16世紀の大航海時代までさかのぼるようです。このころ欧米諸国の人々はまだ見ぬ資源と謎に満ちた地球を解明するため様々な土地の開拓を始めました。多くの目的は資源や土地確保でしたが、未開の土地での昆虫観察もその目的の一つとされていました。
未開の土地で出会う昆虫は不思議なものが多く、昔の人たちは「標本」という形でその結果を残していました。これが昆虫採集の起源とされています。(参照:昆虫標本文化の歴史)
この後、いろいろな過程を経て現在の昆虫採集にまで至りますが、現在の昆虫採集も単に生態の知れた虫を観察するだけではありません。
もちろん物欲によるコレクションもありますが、昆虫にはいまだ謎な部分も多く、それを研究すべく昆虫を採集している方も珍しくありません。
さかなクンのクニマス発見のように、昆虫採集もまた未確認の新種や絶滅種を発見できる可能性があり、世界に与える影響は大きいです。
子供の自由研究にはじまり、物欲による昆虫採集、研究による昆虫採集と現在でも人気で高貴で夢のある趣味といえるでしょう。
昆虫採集に必要な装備
さて、次に昆虫採集に必要な装備について書かせていただきます。
昆虫採集は子供のころにした方も多く、その危険度については十分に承知しているとおもいます。
とはいえ「子供でもできる趣味」と油断している大人も少なくないでしょう。
昆虫採集は数ある趣味の中でもかなり危険で体力の必要な趣味です。しっかり装備を確認し昆虫採集にのぞむようにしてください。
捕獲に必要な道具
最初は捕獲に必要な道具の紹介です。捕獲に必要な道具のリストは以下になります。
- 虫捕り網
- 虫かご
- 懐中電灯
- かきだし棒
- 吸虫管
- 簡易罠
- 手袋
- 三角缶と三角紙
- 毒ビン(標本作成時のみ)
虫捕り網
虫を捕る道具で一番有名なのではないでしょうか?下記に紹介する昆虫採集方法でも虫捕り網は使います。虫捕り網は昆虫を掬うだけでなく、草むらをたたく、木の枝を揺らすとかなり応用が効く道具になっています。素手で捕まえることのできない虫を捕獲するには必須アイテムです。
虫かご
捉えた虫を一時的に保管するケースです。このケースはあくまでも一時的に保管するものなので昆虫採集中は小さいものの方が使いやすいでしょう。また首掛け式やプラケース式などその種類もおおいので、捕まえたい昆虫にあったケースを使用しましょう。なおクワガタムシ採集はプリンカップが意外と役に立ちます。
懐中電灯
昼間に行く昆虫採集でも案外懐中電灯は必要になります。木に開いた穴を調べる時この懐中電灯は必須です。また夜の採集中は必需品になるでしょう。
かきだし棒
木に開いた穴の中には時に、びっくりするような大物が潜んでいる場合があります。この時、木を切るわけにもいかないし、火や煙を使って追い出すこともできません。ここで使えるのがかき出し棒。かき出し棒をつかった昆虫採集方法はオオクワガタやヒラタクワガタを捕獲するうえで主流の方法になります。穴の中にこのかき出し棒を差し込んでうまく昆虫を取り出しましょう。
吸虫管
聞きなれないアイテムですが、小さい昆虫をとるときに役に立つのがこのアイテムになります。特につぶれそうな昆虫をとるときには吸虫管を使用した方法は必須です。市販の吸虫管もありますが、自作することも可能です。
簡易罠
バナナやゼリーなどをしかけて採取する方法です。特にバナナトラップは有名なのではないでしょうか?また紙コップを地面に仕掛ける落とし穴作戦も有効!ただし、罠系は仕掛けた後放置されることが多いみたいなので自分で仕掛けたものは絶対に持ち帰るようにしましょう。
手袋
石の下の虫を採集するときに使います。石によるケガを防ぐことができます。また、匂いを出す昆虫や不意に飛び出してきた毒虫にも対処できるので装備しておくといいです。
三角缶と三角紙
標本を目的として羽虫を採集するときに重宝します。羽虫をケースに入れると飛び回って羽がぐちゃぐちゃになるのでこの三角紙に入れておく必要があります。三角缶は、三角紙を収納するケースになります。
毒ビン(標本作成の時のみ)
標本として採取する場合にあると便利です。毒ビンの中に酢酸エチルを染み込ませた脱脂綿を入れ、その蒸気が充満した容器に昆虫をいれると昆虫が死にます。この方法にて死んだ昆虫は標本作りの際に成形がしやすく腐りにくくなります。酢酸エチルは薬局で入手できますが危険ですので取り扱いに十分に注意する必要があります。また酢酸エチルは容器を溶かす性質があります。この対策として容器はポリプロピレン製の容器を選ぶと良いとされていますがいずれにせよ一度採集前に試してみる方が無難でしょう。
昆虫採集に適した服装
続いては昆虫採集に適した服装について書かせていただきます。
- 帽子
- 長袖長ズボン
- 適切な靴
- リュック等の小物入れ
- ファーストエイドキット
- 日焼け止め
- 虫よけスプレー
帽子
頭を防御するための道具。頭はアウトドアにおいて最も被害を受けやすい場所。特に昆虫採集では上からの昆虫落下やスズメバチの攻撃を受けやすくなります。この時のことを考慮すると帽子は必須アイテムになってくることが分かるでしょう。また熱中症対策にもなるので、帽子は必ず準備しましょう。
長袖長ズボン
「夏なのに長袖なんて嫌だ」と思うかもしれませんが昆虫採集では着用していたほうが安心です。舗装された道路ぎわから昆虫を観察するだけであれば必要ないかもしれませんが、日焼けを考えると着用するに越したことはないです。また毒虫・毒蛇対策にもなります。特に藪漕ぎが必要な草むらではマムシや、ドクガ、マダニ、カヤなどの鋭利な葉などにやられる可能性もでてくるので着用は必須です。最近では速乾性・通気性ともに優れている登山ウェアもでてきていますのでお勧めです。
適切な靴
靴は非常に大切になってきます。履きなれた靴を履くのが一番と言えます。特に軽く動きに応用の効くランニングシューズは何かあったときに逃げやすくもなり、身のこなしが軽くなります。ただし、岩場が多い場所や急な坂道などでは運動シューズは不適であったりします。この時に役に立つのが登山靴。登山靴はくるぶしまでを覆っているものが多く足首を固定し捻挫や打ち身などから守ってくれます。その時に適した靴を着用するようにしましょう。
リュック等の小物入れ
水・応急処置道具・上記で紹介した捕獲アイテム等を入れる時に重宝します。このリュック選びは重要で、登山とは違い登りながら昆虫を追い回すのに適したリュックを選ぶ必要があります。単にモノが入るだけでなく軽さや使いやすさも重視しましょう。登山が必要な場合はそれなりのリュックも考える必要がありますが、その辺に車をとめて採集するときなど車に戻ることができる環境であればウエストポーチなども役に立ちます。
ファーストエイドキット
いわゆる応急処置セットです。アウトドアが好きな人は絶対に準備しておくべきセット。昆虫採集では特に、ムヒなどのかゆみ止めや、絆創膏、新鮮な水、ポイズンリムーバー、ピンセットは入れておくべきです。
日焼け止め
日光はアウトドアの大敵。シミや肌荒れ、しわの原因になるだけではなく、ガンなどの重大な病気にもなりかねないのでしっかり対策しておくべきです。
虫よけスプレー
防虫です。特に蚊やアブなどの多い野外では必須。定期的にふってなるべく刺されないように対策しましょう!!
昆虫採取後の道具
次に昆虫採集後の道具です。飼育するにせよ、標本にするにせよどちらも道具が必要です。
- 虫かご(大)
- 昆虫ゼリー等のエサ
- 針(標本作成時のみ)
- 展翅版(標本作成時のみ)
- 標本箱(標本作成時のみ)
- 展翅テープ(標本作成時のみ)
虫かご(大)
長期的に飼育する場合、昆虫採集時の虫かごよりも大きいものを選ぶ必要があります。昆虫が自由に動け、隠れることのできる空間を作ってあげましょう。
昆虫ゼリー等のエサ
昆虫採集後飼育する場合は必須になります。昆虫によってエサは違いますのでエサを調べて確保しましょう。カブトムシやクワガタムシなどは昆虫ゼリーを食べます。栄養のあるものを選び買ってあげましょう。
針(標本作成時のみ)
標本を作製するときに必要になるのが針です。針は大きく昆虫針と留め針があります。昆虫針は昆虫の真ん中に刺して固定する針で、留め針は昆虫を展翅する際に使用します。昆虫針も有頭針と無頭針があり、さらには号数と呼ばれるサイズも細かく分かれています。留め針は通常マチ針が使用されます。
展翅板(標本作成時のみ)
蝶々などの羽根が縮まないように、広げて固定することを展翅といいます。そして、この展翅をしやすくするのが展翅版です。蝶々の羽を広げパラフィン紙をかぶせます。その後パラフィン紙に留め針をつけて形を作って行きます。展翅板は形作りの土台になる板なのでサイズなど適切なものを選びましょう。
標本箱(標本作成時のみ)
標本を作成する際に必要になります。密封性が高く害虫や湿気の入らないものを選びましょう。なお現在普及しているのは『ドイツ箱』という種類の標本箱で、ガラスと桐でできた密封性がたかくかっこいい標本箱になります。
展翅テープ(標本作成時のみ)
展翅の際、蝶々の羽を抑える時に使います。この展翅テープで蝶々の羽を広げ、展翅針を用いて固定を行っていきます。展翅テープはなるべく透過性にすぐれ、鱗粉がやられないものを選ぶようにしましょう。
さて上記で紹介したものが昆虫採集をするにあたって必要または便利なアイテムとなります。
特に服装などの装備類はケガを防ぐためにも必ず準備しておきたいですね!!
昆虫採集の方法
次に昆虫採集のを紹介します。昆虫採集に技法なんてあるの?と思った方も多いと思いますが、釣り同様立派なハンティングである昆虫採集にもそれなりの技法があり、技術が高い熟練者の方が明らかに捕獲の成果が高いです。ではどのような技法があるのか見てみましょう!
ルッキング
まず最初に紹介するのはルッキングです。
名前の通り、いそうな場所を見て探す方法で、昆虫採集においての基本になります。
このルッキングは昆虫採集の技法にこそこの名称で使われていますが、釣り・ガサを含むアウトドア全般すべての基本となる技ですので覚えておくと便利です。
基本的には昆虫のいそうな場所を探すのですがこれが奥が深く、昆虫の生態やフィールド全体を理解しておかないと難しいです。
またいそうな場所を厳選して入っていくルートを探す必要もあるので、結構第六感的なものも使います。
「要は運だろ?」みたいに思うかもしれませんがそうでなく、この勘は経験でついていきます。
最初は近くの草むらや倒木を観察して昆虫を発見するということがほとんどですが、ある程度、慣れてくると遠くのクヌギを発見し、そこまでのルートを割り出せるという人間離れした技も習得可能です。
実際この技は昆虫採集をしていた時に僕が習得していました。視覚と嗅覚と山の構造を頼りにその木に近づくのです。
トラップ
次にトラップです。
この技法はルッキングと並ぶほど有名な技法であると思います。昔は木に樹液ゼリーを縫って、そこに来たカミキリムシやカナブン、クワガタなどを採集していました。
他にもバナナストッキングや落とし穴も有名なトラップですね。
特に落とし穴はかなり使える手法で、マイマイカブリなどの地を這う虫を捕獲することが可能です。
また有名なところではライトトラップがあります。強い光を放つ電灯に白い布をかぶせる方法で、この方法を山で行うとかなりの数の蛾が採集できるそうです(僕は蛾が苦手なので試したことは無いですが…)
このようにトラップ系統は時間さえあれば結構簡単に昆虫を採集できる方法となっています。
ただしトラップはそのまま放置し環境破壊を促している傾向にありますので、あまりお勧めできません。
スイーピング
すくい取り法とも呼ばれるスイーピングは簡易的で多くの虫が採集できる効率のいい捕獲方法です。
草むらの草をなぎ倒すように虫捕り網を左右に振り、網に昆虫をいれる方法ですがこれが結構多くの虫がはいるのです。
バッタやカメムシ、オオヨコバイなどの草むらを住処とする昆虫にはこの方法がかなり効果的でしょう!
ビーティング
ビーティングはたたき網法ともよばれる手法です。網を木の下に構え、別の棒で木の枝や葉をたたくことで落ちてきた昆虫を採集する方法です。
樹上性の昆虫や、葉に捕まったバッタ類を捕獲するのに適した方法です。またタマムシやオトシブミなどの普段見ることの少ない珍虫もこの方法で採集可能です。
オサ堀
オサムシという昆虫を採集するときに効果的な採集方法です。季節は冬。冬眠しているオサムシを狙います。
オサムシは土の斜面などで冬眠する習性があるので、この方法で冬眠中のオサムシを捕獲できるというわけです。とはいえオサムシ以外にもスズメバチやムカデなどの毒虫…爬虫類やミミズなどとの遭遇もあるでしょう。
オサムシの良そうな場所はルッキングがあってこそですので、まずは経験を積みオサムシの冬眠しそうな場所を理解するようにしましょう。
洞かきだし
木に空いた穴を洞といいますが、この穴には高確率で昆虫が潜んでいます。
ムカデやゴキブリとの遭遇もあるのでなるべく避けたいものですが、時にはヒラタクワガタやオオクワガタなどの超大物が潜んでいる場合もあります。
蹴り採集
クワガタの良そうな木をルッキングして、その後蹴りを加えて木をゆらす昆虫採集方法です。
ビーティングなどの網を使った昆虫採集でも代用できますが、この方法であると全体を揺らすことができるので便利です。
木も生きているので過度な蹴りは控えてやってください。
まとめ
はい。以上が昆虫採集の方法でした。昆虫採集は生物学の知識・体力ともに必要な過酷なアウトドアです。
本格的に大物を狙いたいのであれば、これらの技術にプラスして登山技術や根気も必要になってきます。
ですが、そこが面白いんですよ。
昆虫の良そうな場所を遠目からみつけるなど、続けていれば五感鍛えられていくのが分かります。
そのうえターゲットの昆虫を見つけることができたならばもう最高!
ということでこれから夏になっていくにつれ昆虫も増えていくと思うので、体調に気を付け、本日紹介した方法を駆使し狙いの昆虫を見つけてみてくださいね!
では!
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