アウトドアで一番多いのは切り傷、擦り傷。
転んだり、ぶつかったりしたらすぐに傷ができてしまいますよね。今日は擦り傷や切り傷の応急処置について記していきたいと思います。
傷の応急処置の基本は『湿潤療法』と『直接圧迫法』!
傷の応急処置。まずは2つの基本知識を知っておきましょう。
1つが『湿潤療法』、2つ目『直接圧迫法』です。この2つの知識を組み合わせ応急処置を施します。
・『湿潤療法』
現在では消毒液を用いずに自然治癒力で治すといった『湿潤療法』が基本となっています。
ひと昔前まではマ〇ロンやア〇チンなどが基本でしたが、これらの消毒液は菌を殺す能力が強すぎて常在菌や皮膚にまでダメージを与えてしまうのです。
いってしまえば、皮膚を熱湯で殺菌しているようなもの。
ここで、湿度を保ちうまく消毒できるように用いるアイテムが後述する応急処置の方法で出てくる[水]と[ワセリン]になります。
・『直接圧迫法』
次に『直接圧迫法』の知識です。
擦り傷・切り傷の場合は患部から流れ出る血液を止めるため、『直接圧迫法』という止血法をつかいます。
出血の元の部分を[ニトリル手袋]をかぶせた指で圧迫します。これを止血といいます。
また止血する範囲が大きめの時はその範囲に合わせた[滅菌ガーゼ]で圧迫します。止血の目安は15分。
止血法にはこの他に『間接止血法』や、『止血帯法』などがありますが、こちらはちと上級レベルのため今回は割愛させていただきます。自分もマスターしたらその時は情報提供しようと思っています。
切り傷・擦り傷の応急対策として『湿潤療法』そして『直接圧迫法』の二つの考え方が大切なんだね!!
応急処置の手順
さて、次に『応急処置の手順』について調べたので掲載していきます。
まずは、必要な道具から!
・準備するもの
- ビニール手袋(なるべくニトリル手袋がいいです。)
- 穴の開いたペットボトルキャップ
- 水(ペットボトル)
- 綿棒
- ワセリン
- 滅菌ガーゼ
- 絆創膏
- サージカルテープ
・応急処置の手順
ペットボトルに[穴あきキャップ]をつけて、傷の汚れを洗いましょう。ボトルを強く握り勢いよく洗い流すことでウィルスや雑菌を洗い落とすことができます。また取れない汚れは[綿棒]を使うといいです。
[滅菌ガーゼ]、もしくは[ニトリル手袋]をかぶせた手で傷口を15分間圧迫しましょう。
傷口を乾燥させず、[ワセリン]をめちゃくちゃ塗りましょう。広く深くカバーすることでしっかり湿らせることが可能。
ワセリンを塗りたくった場所をガーゼおよび[絆創膏]で保護しましょう。ガーゼの場合固定は[サージカルテープ]で行う。
手順には『湿潤療法』や『直接圧迫法』が応用されているね!!
傷を放置していたらどうなるの?
もし傷を放置していた場合どういう悪さがあるのか?
傷口は体内と外界への扉。外界から怖いウイルスや菌が入るかもしれません。
では実際放置していたらどのような病気になるのでしょうか?
・破傷風(はしょうふう)
破傷風は土中に生息する『破傷風菌』によりは発症します。特に土のある所に多く、山や川などの環境では必然的に破傷風のリスクも高くなります。もしこのような環境で転んでしまったなら、傷口の洗浄はまずしっかりと行ってください。ちなみに破傷風の症例として「けいれん」「呼吸不全」「顔のこわばり」といった筋肉関連の症状が多くみられるでしょう。とても危険な菌なので応急処置はしっかりやってください。なお、破傷風を詳しく知りたい方は『震える舌』という映画をみてください。この映画は病気を題材とした映画ですが和製エクソシストとの異名を持つほどです。それほど危険な菌なのです。(参照:破傷風)
・蜂窩織炎(ほうかしきえん)
傷口から、ブドウ球菌等が体内の深い部分に入り込み炎症をひきおこす細菌感染症です。最近は傷口から侵入し皮膚組織の深い部分にはいりこみます。さらに細菌は細胞間質を溶かし細胞を壊死させ、その結果壊死性筋膜炎を引き起こします。以前、僕の知り合いで蜂窩織炎になった方がいますが、数週間の入院を余儀なくされていました。これも破傷風と同様、かなり危険な疾患となります。(参照:蜂窩織炎)
このようになる前に『応急処置』をしっかりしよう!特に洗浄は大切だ!!
消毒液の出番は?
・消毒液はなぜだめ?
もともとマ〇ロン等の消毒液を傷口にかけて消毒していました。しかし、マ〇ロンや消毒液は皮膚にもダメージを与えるようなほどの強い刺激があるといわれています。しかしこの答えに関しては賛否両論。使ったほうがいいという意見もあります。
・使っていい場合はあるの?
基本的に傷口にダメージを与えてしまう消毒液ですが、使っていい場合もあるそうです。それは、とても汚い場所で転んでしまった場合です。この場合は傷口からの出血よりも細菌感染リスクのほうが高まるので消毒はしたほうがいいといわれています。
消毒液は1本持ってても損はしない!!
まとめ
いかがでしたか?
たかが切り傷擦り傷、されど擦り傷切り傷です。とはいえ、僕も小さな傷は我慢する癖がありますが、今回まとめていて改めて傷の恐怖を思い返すことができました。
みなさん。野外でのケガにはしっかりした応急処置をおこなってください。
では、また!!
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