どうも。
よゐこパンダです。
本日は伝統的なルアー【スプーン】について少し掘り下げて解説させていただきたいと思ます。
先日、渓流釣りにおけるルアーでスプーンを紹介したのですが、他のルアーの紹介もあったので長くて読みづらい面がありました。
今回はスプーンのみに焦点をあてて、その特徴から使い方までを解説していきたいと思います。
スプーンの起源
偶然の事故から生まれた奇跡のルアー
スプーンはすべてのルアーの原型とも言っていいほど、伝統的なルアーになります。
伝統的で古臭いイメージがありますが、「万能ルアー」としても名高く、海・池・河川問わず広く使われています。
また、構造が簡易的で、値段も安く、ただ巻きで釣れることから、必ず一つはストックしておきたいルアーの一つになります。
さて、そんなスプーンですが誕生したのは1800年代。
アメリカのヴァーモント州に生まれた、ジュリオ・トンプソン・ピュエルという人がスプーンの原型を作った人と言われています。
ピュエル氏が父親とボート釣りをしていた時、ボートが岩にぶつかった…
その際に、持参してきた食事用のスプーンが湖に落ち、ひらひらと落ちるスプーンにトラウトが喰いついてきたのを見て、「これは釣れる」と確信したそうです。
その後、自宅に帰ったピュエル氏は食事用のスプーンの先端を落としフックをロウ付けし、魚を釣ってみたそうですが、やはり、ピュエル氏の予想は的中したらしく魚が爆釣。
これを期にピュエル氏はルアーのパテント(特許)を取得します。
上図は、実際に彼が考案していたスプーンの図になります。
ちょっとしたアイデアが、現代に語り継がれるまでの名作と資産を生むとは面白い話です。
スプーンのメリットとデメリット
スプーンのメリットとデメリット比較
次にスプーンのメリットとデメリットを紹介しましょう。
説明するにあたってまず下記の比較表を見て頂ければ幸いです。
このようにスプーンはメリットの大きいルアーになりますが、その単調さや形状からあまり人気が無いように思われます。
とはいえ、値段の安さも考えるとやはりストックしておいて損はないルアーにもなりますし、スプーンで小技を駆使し釣りをする「スプ―ニング」をマスターするのも面白いかもしれません。
スプーンのメリット
上で紹介したメリットの中でも、
・価格の安さ
・どの釣りでも使用できる
・ただ巻きで釣れる
といった3点は、スプーンならではの最大の特徴とおもいますので是非覚えておいてもらいたいです。
価格の安さ
スプーンは作りがシンプルなためか非常に安く販売されています。もちろんDAIWAなど有名ブランドが提供しているもので比較的高いものもありますが、それでもミノーやクランクなどその他のルアーの価格よりも安いのは確かです。
特に最近では、ワゴンセールなどで投げ売りされている100円台のスプーンもあるので、お金のない学生や、給料前などは強い味方になってくれるでしょう。
どの釣りでも使用できる
スプーンでの釣りは基本どの釣りでも通用します。野池でのバス釣りや、トラウトに使用するイメージが強いスプーンですが、海水用のスプーンなんかもあり、カサゴやキジハタといったロックフィッシュやヒラメなどのサーフ系の魚も釣りあげることができます。
ただ巻きで釣れる
スプーンは基本ただ巻きでも釣れます。表層やボトム、魚の潜んでいる層を意識することで釣果はよくなるでしょう。
このように、安く、どの釣りでも使用でき、ただ巻きで釣れる「スプーン」はまさにルアー初心者の味方といったところでしょうか。
是非スプーンを知り、学び、釣りを極めていきたいものです。
スプーンのデメリット
もちろんスプーンのデメリットもあります。
個人的に感じるデメリットとしては、
・トリプルフック時の根掛の多さ
・単調すぎて面白くないし釣れるか不安
の二点でしょうか?
トリプルフック時の根掛の多さ
スプーンは基本的にシングルフックがついていますのでさほど問題はありませんが、トリプルフックにすれば根掛の可能性は高くなります。特にボトムに張り付くタイプの重いスプーンなどはそれが顕著です。
単調すぎて面白くないし釣れるか不安
おそらくこれが最大のデメリットでしょう。今こそ少なくなりましたが、昔はバス釣りコーナーにいくと必ずと言っていいほど激安スプーンが売っていました。構造は銀色の「The 食事用スプーン」のような形で、安さもあることから「本当にこんなので釣れるのか?」と不安になってしまいます。
実際に買ってみて使ってみても、数回投げて釣れない場合「これじゃ釣れないよな」と不安になります。
また単調すぎるというのもデメリットですね。コレクション性があまりない…スプーンはその他のルアーに比べその傾向が強いです。
しかし、スプーンは時と場合によっては普通に釣れるルアーなのです。また、最近ではデザインも豊富になりコレクション性も高くなってきました。
スプーンは、この特有のデメリットを克服しつつあると感じています。
スプーンの形状とその特徴
スプーンのブレードの形状とアクションの関係
スプーンといっても、その形状は多々あります。
幅が広いものから、S字に湾曲したもの、そもそも元の形状自体違う物…
なぜこれだけ多くのスプーンがあるのでしょうか?
もちろん、その形状がアクションに影響するからなのですが、ブレード形状とアクションの関係を知る人は意外と少ないと思いますので、ここで纏めてみることにします。
まずは幅とカーブに焦点を当てた際のスプーンのアクションについてです。
・スプーンの幅の広さ
空気抵抗や水抵抗に関係する。広ければ抵抗を受けやすいので飛距離は落ち水に沈みにくくなる。逆に狭くなれば飛距離が伸び水に沈みやすくなる。とはいえスプーン自体重量があるので飛距離自体はある程度稼げるが幅の狭いタイプの方がより飛距離を稼ぐことができる。
・スプーンのカーブの大きさ
引いた時の水の抵抗と関係がある。つまりカーブが大きければ水の抵抗を受けやすく引いたときに大きなアクションをする。逆にカーブが小さい場合はアクションが小さくなる。
この特徴を踏まえて、スプーンの動きを考察してみると以下のようになります。
スプーンの形状 | 特徴 |
---|---|
幅が広くてカーブが大きい | 抵抗が大きく沈みにくいのでスローリトリーブ向き。アクションは大きい。 |
幅が広くてカーブが少ない | 抵抗が大きく沈みにくいのでスローリトリーブ向き。アクションは小さい。 |
幅が狭くてカーブが大きい | 抵抗が小さく沈みやすいので早巻きで表層狙い。アクションは大きい。 |
幅が狭くてカーブが小さい | 抵抗が小さく沈みやすいので早巻きで表層狙い。アクションは小さい。 |
スプーンの形状の種類
次に元の形の違いによるアクションの違いについてまとめてみます。
とはいえ、上記で書いた幅とカーブの基礎知識がこちらの形状にも通じてきますので難しく考える必要はありません。
スプーンの形状は「コロラド」「リーフ」「ウィローリーフ」「ティアドロップ」「ベンダー」「ハイブリッド」に分類できます。
名称と形状を照合した図が上記になります。大体はこんな感じですが、場合によっては分類が難しい時もあるので、大まかなイメージとして頭に入れておいてくれれば幸いです。
さて、これらのスプーンはどのような動きをするのでしょうか?こちらもまとめてみましょう。
コロラド
最も伝統的なスプーンでまさに食器のスプーンのような形状をしています。
基本的なスプーンの性質を有しているのがコロラドの特徴です。
厚みがあり重量もあるので、他のルアーよりも飛距離を稼ぎたいときに使用します。またボトムや中層を狙うことができるといった点も一つの特徴になります。
【コロラドの使い道】
・ミノーよりも飛距離を稼ぎたいとき
・ボトム、中層を狙いたいとき
リーフ
コロラドを細くしたタイプのスプーンになります。
上記「ブレードの幅とカーブ」の表に記載した通り、細いので空気抵抗を受けにくく、スプーンの中でもより飛距離を稼ぐことができます。また早巻きでも動きが出るので表層付近~中層を狙うのに適しています。
【リーフの使い道】
・スプーンの中でも飛距離を稼ぎたいとき
・表層付近を早巻きでアクションさせたいとき。
ウィローリーフ
リーフタイプのものをS字に湾曲させたような形をしています。
リーフタイプ同様に飛距離が稼げ、カーブが複雑なのでリーフタイプより細かく動くとされます。
【リーフタイプの使い道】
・飛距離を稼ぎたいとき
・細かくアクションさせたいとき
ティアドロップ
涙や雫のような形状をしているスプーンになります。
水の抵抗を受けやすい形状で、巻いたときに浮遊しやすいつくりになっています。水面直下を狙いたいときなど有効なタイプになります。
【ティアドロップの使い道】
・水面直下を攻めたいとき
ベンダー
くの字に曲がっているのが特徴のベンダーは、どのスプーンよりもシャープな動きをします。
特に流れの強い場所で非常にいいアクションを起こします。
【ベンダーの使い道】
・流れの早い場所でよりよくアクションさせたい時。
ハイブリッド
上記のどの形状にも属さないスプーンで、イレギュラーな動きをするものや、回転するものまで多々あります。
また素材も樹脂と金属の混合などまさにハイブリッドの名が相応しいスプーンとなっております。
動きが独特なので、最終手段として使用されることが多いようです。
【ハイブリッドの使い道】
・最終手段としての使用が多い
以上が形状による、スプーンの分類とそのアクションについてでした。
スプーンの使い方
では、スプーンの基本的な使い方について説明していきましょう。
ノーマルリトリーブ(ただ巻き)
スプーンはトローリング用(ボートで引っ張る)に作られたルアーです。
つまりただ巻き性能はどのルアーよりも断トツでよく、表層だろうがボトムだろうが、スローだろうがしっかり動きを見せてくれます。
リールを巻くだけの完全オートな釣りですが、手軽にルアーを始めてみたい人にとっては最適のアイテムと理解できるはずです。
ストップ&ゴー
ただ巻きとストップを繰り返す作業を「ストップ&ゴー」といいます。
ただ巻きで追ってきた魚に口を使わせるために止める作業を挟みます。
止めてフォールさせることで、バイトの隙を作ります。
ある層の魚を狙って釣りたいときに有効な手段です。
動画はミノーでのストップ&ゴーですが、方法は同じです。
リフト&フォール
ストップ&ゴー同様にフォール中にバイトさせる手段として重宝されますが、ストップ&ゴーとの違いは竿をしゃくるかしゃくらないかといった点です。
リフト&フォールはロッドをしゃくり(高く振り上げ)、その直後にゆっくり戻しラインのふけをゆっくり取りつつフォールさせます。
考え方としてはエギングのしゃくりと似ています。
このリフト&フォールはより多くの層の魚にアピールできます。
動画ではバイブレーションを使用したリフト&フォールになります。結構な力でしゃくりあげていますが、すべてのルアーがこの勢いのしゃくりに適応しているわけではありません。
浮き上がりが激しいもの、小さいもの、重いもの等ありますので、しゃくりかたはスプーンの形状によって使い分けていく必要があります。
トゥイッチ
ロッドを前後にはじかせ(ロッドのしなりを利用して引き寄せる)、ルアーに不規則な動きを与える小技です。
この技を駆使することで、変則的な動きの他に音やギラつきによる誘い出しが可能になります可能になります。
ボトムパンプ
ボトムを中心に探りたいとき、このボトムパンプを使う必要があります。もちろんスプーンもこのボトムパンプが可能です。
ボトムを這わせるようにずる引きしたり、時折リフト&フォールを混ぜたりし、魚を誘い出します。
ボトムを這わせたりノックしたりするイメージでスプーンを操作していきましょう。
以上が、基本的なスプーンの動きになります。
スプーンは小技を使わずとも、ただ巻きで釣れる可能性はあります。しかし、このような小技を駆使し「スプ―ニング」を極めていくというのもなかなか面白いものです。とはいえ、ネイティブのフィールドでは障害物や水の濁りが邪魔をしてルアーが見えないことも多いのが現実です。
しっかり動いているか、魚は反応しているかなどを確認するためには、クリアなエリアや管理釣り場で練習をするのもお勧めです。
まとめ
以上でスプーンについての説明を終わります。
記事にかいたようにスプーンは伝統的で、その使い方も多々ある非常に面白いルアーといえます。また価格の安さから初心者~ベテランまで気兼ねなく使えるといった点もスプーンの魅力です。
しかし、そのシンプルで伝統的な構造から毛嫌いするアングラーがいるのも事実です。
スプーンは本当に原始的で、すべての動きの基礎を演出できる優れもの。
もし、釣りで壁にぶつかったときスプーンという原点に戻り、釣り本来の楽しさを実感するのもありでしょう。
以上でスプーンの解説を終わります。
では!
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