さてキャンプだ!さて釣りだ!
アウトドアの楽しみといえば食材確保もその一つであります。
魚を釣って締めたり捌いたり、具材を使って美味しい料理をつくったり。
考えれば考えるほどわくわくしてきます。
しかし、ちょっとまった!!
「アウトドアに持っていこうとしたこのナイフ…本当に大丈夫か?」
こういう疑問よくあります。
僕も以前釣りの帰りに、警察からナイフに関する尋問を受けてしましました。
それ以来、ナイフはあまり持ち歩くことはなくなったんですが、よくよく考えると「買った意味ねぇやん」となってしまします。
まだ買って数回しか使用していないお気に入りのオピネルのナイフ。倉庫に封印したままなんです。
みなさんも奮発して買ったナイフ、倉庫に眠っていませんか?
今回はそんな悩みを解消すべく、アウトドアでのナイフの所持は銃刀法違反になるのか?といった疑問に立ち向かっていきます。
もし興味があれば是非読んでくださるとうれしいです。
刃物を取り締まる法律はどんなものがある?
まず刃物を取り締まる法律には2つあります。1つが「銃砲刀剣類所持等取締法」、そしてもう1つが「軽犯罪法」です。
それぞれどういうものか順を追って説明していきましょう。
銃砲刀剣類所持等取締法
まずはこの法律。違反するといわゆる「銃刀法違反」になってしまいます。
銃刀法の目的
銃刀法は国民の安全や国の治安を守るために定められています。ナイフを持っての喧嘩や、脅迫を防ぐことが目的なのです。
銃刀法違反の罰則
2年以下の懲役、または30万円以下の罰金。
銃刀法によって規制されるもの
銃刀法では主に拳銃や、剣、なぎなた、刀等の刀剣類の携帯及び所持を規制しています。また刃渡り6㎝以上の刃物も業務目的や正当な理由がない場合の携帯は規制の対象になります。
刀剣類と刃物は何が違う?
ここでいう刀剣類は、剣や刀、飛び出しナイフのようないわゆる武器のことを言います。これに対して刃物は道具を指します。ナイフ、包丁、ハサミ等、家庭やアウトドアで使用するものは多くが刃物に分類されます。
銃刀法は武器を規制し、その他にも「正当な理由」がない場合の刃物の携帯も規制します。
参考文献:銃砲刀剣類等所持許可
刀剣類を詳しく
刀剣類は刃渡り15㎝以上のなぎなた、槍、刃渡り5.5㎝以上の剣、あいくち、飛び出しナイフです。
上にも記したように、これらは「武器」とみなされ携帯はおろか所持すらも許されておりません。
どうしても所持をしたいのであれば許可があれば出来るそうなのですが、僕自身法律に素人なのと、手続きがめんどくさそうなことからここではオススメはしません。もし所持したいのであれば必ず弁護士に相談ししっかりとした手順に従い所持手続きを完了してください。
刃物を詳しく
刃物はナイフ、包丁、ハサミ等業務および正当な理由で生活上使用するものを指します。
刃物は家庭での所持は許可されていますが、刃渡り6㎝(ハサミは8㎝)を超えるものの携帯については業務目的、正当な理由があるとき以外は認められていません。刃物は道具でも用途を変えると武器になる。特に6㎝(ハサミ:8㎝)を超えるものは十分な殺傷能力があるとみなされ、このような規制がかけられているのです。
では次に業務目的や正当な理由について考えてみみましょう。
「業務目的」と「正当な理由」
「業務目的」とは、「社会生活上の地位に基づき反復・継続して行う行為」の事を指します。料理人が出張で料理を捌く際には必要となるので、6㎝以上の刃物の携帯は認められているのです。
「正当な理由」とは、一般人が野外活動を行う、購入する等で、やむを得ず持ち歩くことを言います。
キャンプに行くために持ち出す、包丁を購入した等の場合は「正当な理由」になります。
また「護身用のため」は正当な理由にならないので注意してください。
アウトドアの際のナイフの持ち出し
上にも示したようにアウトドアでのナイフの携帯は正当な理由に値しますが、場合によっては正当な理由とみなされない場合もあります。
例えば、キャンプや釣りに行くのにナイフしか所持していなかった場合…
この場合は正当な理由とみなされないケースがほとんどです。下手したら銃刀法違反になります。
もしアウトドアをする際にナイフが必要なのであれば、その他の道具を一緒に携帯し必ず「アウトドアを行う」という意思表示を行いましょう。
また、ダッシュボードや助手席、すぐ出せる場所でのナイフの管理もNGです。こちらは護身用、戦闘の意思があると予測され銃刀法違反の対象になります。もちろんポケットに所持などの「隠し持っている」と思われるような行動もNG。
さらにいうと目的地以外のところに行くのもNGであるのかもしれません。お店によったりすることで目的以外の事をしていると判断されるからです。アウトドアの際に限って警察は話しかけてきます。なるべくすぐに目的地にいって使用道具はあらかじめ買っておくことにしましょう。
まとめると…
・刃渡り6㎝以上の刃物の携帯はアウトドアの際はOK
・すぐに取り出せる場所での保管、ポケットなど他人からみて不審な場所での保管はNG
・アウトドアに行く証拠がなければNG
・寄り道は場合によってNG
となります。
とはいえ判断材料が曖昧なので、アウトドアに詳しい友人に聞いてみたところ
タックルボックスや食材の入ったクーラーの中に、刃の部分だけをキッチンペーパーで覆った状態で保管していると大丈夫だったと教えてもらったことがあります。
実際どうなんでしょう…
確かにこの条件だと、上記の条件への対策はできていると思いますが、警察の判断によっては「隠し持っている」と判断されることもあるとかないとか…こればかりは「こうしてください」と強く言えないのが厄介なところです。
いずれにせよ、アウトドアに行く意思表示、保管場所の注意、寄り道はなるべくしないの3点を心がけると良いように思えます。
参考として知恵袋のリンクを貼っておきます。経験談なんかが乗っていて分かりやすいですよ。
参考文献:知恵袋「ナイフの所持について」
個人的経験ですが「釣れなかった場合」も銃刀法違反の判断材料になる可能性があります。
以前、釣りで「ボウズ」を食らった帰りにホームセンターによって休息していたところ、たまたま警察に職務質問を受けました。
全然やましいことはなかったので警察に車の内部を拝見させたのですが、「ちょっと来てください」とパトカーに連行されたことがあります。
「銃刀法違反に値する」ということで、警察の判断材料を聞いたのですが、
①すぐに使用できる場所にナイフを置いてたこと。
②魚を釣った形跡がないこと(釣りに行ったのに魚が釣れないのは不自然だとのこと)
③ホームセンターによっていたこと。
が判断材料とのことです。
幸い、必死の説得と警察の理解もあって今回は注意喚起で許してくれました。
釣り具を所持ししっかり意思表示したのが救いだったと思われます。
この件に関して当時は「めんどくさい」と感じたのですが、今思えば上記の判断材料で①は確実にアウト、②は目的を達成していないのでアウト、③は目的地以外の場所によったということでアウトと、自分なりに振り返ってみてもも確実にアウトと解釈できます。
アウトドア後の刃物の保管には最大の注意を
さて、ここまで法律をまなび、人からも情報を集め、そしてどうにか当日は銃刀法違反にならなかったとしましょう。
しかし、本当に怖いのは当日よりも後日…
つまり「車からのおろし忘れ」です。
アウトドア好きは、メインの道具はきちんと洗浄するため自宅に持ち帰りあるでしょう。
しかし、ナイフのような細かい装備は車内への置忘れがあることも実際多いのではなか?と感じます。
この場合、職質を受けた際に言い訳ができなくなるので
「刃物は絶対に車内から降ろすようにしましょう」
よろしくおねがいします。
アウトドア仲間を減らさないためにもしっかり友人同士や自分自身に注意喚起してください。
では次にもう一つの法律「軽犯罪法」の説明になります。
軽犯罪法
これも、刃物を取り締まる法律の一つです。
さて、先に紹介した銃刀法をおさらいすると、違反対象になるのは「刀剣類の携帯及び所持」か「刃渡り6㎝以上の刃物の携帯」でしたよね?
この軽犯罪法は、刃渡りの長さ関係なしに武器になりえるもの全般の携帯を規制しています。
つまり、
「このナイフ6㎝もないから銃刀法にはならねぇや」
とはできないのです。6㎝満たなくても「正当な理由」がなく、「隠し持っている」と判断された場合は軽犯罪法の違反になり、拘置所に収容されるor千円~1万円の罰金になります。
これは、ナイフのような刃物に限らず鉄棒もその範疇になります。
軽犯罪法の目的
軽犯罪法の目的を簡単に解釈すると「重大犯罪ではないが、それに繋がりかけない軽率な行為を取り締まるもの」とされています。
軽犯罪法の範囲は広いですが、6㎝に満たない刃物の携帯も場合によっては「重大犯罪を助長する軽率な行為」とみなされるようです。
軽犯罪法の罰則
上に示したように、拘置所に収容されるか1000円~1万円以下の罰金が罰則になります。
軽犯罪法が示す「正当な理由」
軽犯罪法の1条2号には、「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」が違反の対象になると示されています。
この場合の「正当な理由」とはなんなのでしょうか?
これも、「銃刀法」同様に、購入後の携帯、アウトドアで使用する際の携帯と考えられています。
また、ポケットや衣類に備えていると「隠し持っている」と判断されて、NGになるケースも多いようです。
やはり「銃刀法」の時と同様、 アウトドアに行く意思表示、保管場所の注意、寄り道はなるべくしないの3点 はしっかり守る必要があるようです。
まとめ
さて、「銃刀法」そして「軽犯罪法」とナイフを取り締まる法律をここまで調べてきたわけですが、これにいたっては「こうしないといけない」というような明確な答えがないようですね。
警察の判断基準により左右されるし、運の良しあしもあると思います。
ですが、そのリスクを最低限に抑えるためにできることもたくさんあります。
アウトドアをするんだという意志の表示、しっかり包装し不自然な場所には置いとかない、なるべく寄り道をしない
これらは、どの情報元や知恵袋をみても共通認識のように思えます。
せっかく買ったお気に入りのナイフでアウトドア生活をもっともっと楽しむためにも、上記の事項をなるべく意識し安全・快適にアウトドアライフを送りましょう!!
最後に余談ですが、個人的に絶対に所持しておいた方がいいオススメのナイフがあります。
それは「ビクトリノックス クラシック」シリーズです。
ナイフと呼べるか微妙な領域ですが、これはすごく役に立つ代物なので是非購入することをオススメします。
まずこのナイフ、刃渡り4㎝と銃刀法での規制はありません(軽犯罪法での規制あり)。
さらに小型なボディに多くのツールがついています。ナイフは火おこしの際の木材削りに使用し、使いにくいですが最悪小型魚の調理もできます。
そして最も多用しているのがハサミ。釣りの時めちゃくちゃ役に立ちます。PEラインを切るときは少し苦戦しますがそれでも切れるので現状あまり困っておりません。
アウトドア好きの友人にも聞いたところ、
「このナイフは価格も安く神、使い過ぎて買いだめしている」
と言っていたのでやはりおすすめしたいナイフの一つになりますね。
ただし、調理向きの物ではありませんしハサミももっと特化したものがあります。
しかし、このナイフのいいところは持ちやすく、価格もやすく、緊急事態時に特化型ナイフやハサミの代用になるといった点です。
買わずとも是非念頭にいれておくことを推奨します。
以上で、アウトドアとナイフ、そして銃刀法の関係の話を終了させていただきます。
読んでくださりありがとうございました。
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